進級制作「ミステリアス」について

●私が描きたいものについて
私が描きたい、また魅力的だと感じるものは、総じて「ミステリアス」だと思う。
ここでいうミステリアスは、私が勝手に本来の意味とはズレたイメージ付けをしているものだ。例えば、地元の浜辺を歩いているとき。例えば、道を歩いて近くの木が通り過ぎるとき。例えば、メガネ。黒髪。人の肌。筆跡。こういうものたちに触れるとき、なんとなく「ミステリアスだな〜」と感じ、また美しいと思う。
こういうものたちがどうしてミステリアスなのか、また私の考えるミステリアスとは何かについて、絵を描く中で思案したいと考え制作した。
●複数枚描きたかった
最初に決めたのは、枚数と配置である。
漠然としたミステリアスは、日常の具体的な物事から得ている記憶たちを複合するような形で私の中に存在している。このことから、複数枚描くことがしっくりくると思った。方眼が好きなので、正方形を並べようと決めた。また数は、多いとまどろっこしいから最小限にした。
その上で、どう並べるかを考えたとき、なんとなく、窓のようして一つ欠けさせたいと思った。そのための、3枚である。
●制作していく中で
漠然とした思いも、必ず日常の具体的なものから出発している。そういう考えで、ミステリアスだと思うものを素直に描いていった。余談だが、ほとんどが地元のことであった。
結果、具体的に描いたものからまた漠然とした考えが浮かんできたり、特定のものを描いていたら他のもののイメージも重なっていることに気がついたり、絵を描くことによって自分の中での広がりを感じられた。
●まとめ_自分にとっての絵画
私は、元々身近なものから得た感覚を、描くという行動によって追体験し、結果的に画面に残ったものがより自分の感覚に近いかという観点で自分の絵を作っているということに気がついた。
また、ずっと絵を描くことに気負いみたいなものがあったのが、今回の制作でそういうことが処理ができて積極的に進められるようになった。これが、本当によかった。これを踏まえて、次はもっと踏み込んで描きたいと思う。
制作日 | ~2023/12/11 |
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支持体 | パネル(S12) ×3個 に胡粉ジェッソ |
使用画材 | ポスカ、クレヨン、パステル、油絵具 | メモ | ※武蔵野美術大学油絵学科2年進級展 |